国民健康・栄養調査(1/2)
2009.12.09

男性肥満者の増加傾向鈍化
 
 平成12年以降、男性肥満者の増加割合がそれ以前の5年間に比べて鈍化していることが、この11月に発表された厚生労働省の平成20年国民健康・栄養調査でわかった。肥満男性は40代が約36%と最も多く、また肥満男性の3割が体重を減らそうと思っていない。一方、女性の「やせ」傾向はおさまらず、やせの女性のうち、まだ体重を減らしたい人が1割以上もいる。運動習慣は着実に増えてきているが、歩数が減ってきているのはどういうわけか。国民の健康状態の全体的な傾向について、今回の国民健康・栄養調査結果から検証してみたい。

■体重減らす意思、男女間に差

 国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づき毎年11月に実施されているもので、身体や栄養摂取状況、生活習慣の現状を明らかにして今後の健康づくりの基礎資料にするのが目的。平成20年国民健康・栄養調査は、同年の国民生活基礎調査で設定された地区より無作為に抽出した約6000世帯の中から満1歳以上の約1万8000人を対象に実施したもの。今回の調査結果から注目のポイントをピックアップしてみるとー。

 まず、「肥満およびやせの状況」。男性の肥満者(BMI=体格指数=25以上)の割合は、全体で28.6%。年齢別では40代が35.9%ともっとも多く、次いで50代32.4%、30代29.5%となっている。20〜60代の男性肥満者の割合を年次推移でみてみると、7年には24.8%だったのが、国の推進する「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が始まった12年には27・6%に増加。しかし、7〜11年までと、12〜20年までの増加率を比較してみると、その増加率は小さくなっており、肥満者の割合は、増加しつつも、その増加率は確実に鈍化していることがわかった。

 一方、女性では、40〜60代の女性肥満者の割合は減少しているが、若年女性の「やせ」(BMI18.5未満)が問題。女性の20代22.5%、30代16.8%が「やせ」で、他の年代と比べてその割合が高い。

 また、「太っている」ないしは「少し太っている」と自分自身の体型を評価している人の割合は、男女とも半数前後で、その理由としては男女とも「過去の自分と比べて」がもっとも多いのが特徴だ。

 「体重」については、男女それぞれ特有の考え方が表れてくる。男女ともおよそ半数は体重減を目指す意思があるが、その一方で、男性は「肥満」でありながら体重を減らそうと思っていない人が29.8%。逆に女性では、「やせ」とされる人の12・6%が、やせているにもかかわらずさらにまだ体重を減らしたいと思っている。こうしたグループに対する健康面からの意識変容も含めた生活習慣見直しのための動機付けの支援などが、さらに必要になってこよう。

 「運動習慣」も今回の大きなテーマ。この調査での15年と20年の比較では、運動習慣のある成人の割合は、男性で29.3%から33.3%、女性では24.1%から27.5%と男女とも増加している。日ごろ、意識的に体を動かすなどの運動を行っている人の割合も男女で増加しており、20年では6割前後になった。

 ところが、1日に歩く「歩数」の平均値を見ると、成人男女とも減少している。男性が15年当時、平均7,503歩だったのに、20年には7,011歩と減少。女性も6,762歩から5,945歩へと減っていた。これは特に運動習慣のない人の歩数が大きく減少してきていることから、その影響で全体の歩数の減少を招いていることがうかがえる。

 次に「喫煙」について。20年において習慣的に喫煙している人の割合は、男性36.8%、女性9.1%で、受動喫煙が話題となった健康増進法制定時の15年以降、男女とも減少。当時、男性46.8%、女性11.3%で、小幅ではあるが年次推移では禁煙傾向にある。また、1日21本以上吸う人の割合は、この5年間で男性が32.7%から25.3%へと減ったが、女性は9.6%から9.2%程度でほとんど変化が見られない。

 食習慣の中で「朝食欠食」の割合は、20代の男性30.0%、女性26.2%ともっとも多く、それに次いで30代、40代の男女の欠食が多かった。また、12年から20年の年次推移では男女とも30代以上の年代で増加している。

 一方、摂取される脂質エネルギーの総エネルギー量に対する比率である「脂肪エネルギー比率」は、若者であっても30%未満が望ましいわけだが、30%以上の人が、男性17.4%、女性25.0%で、意外に女性の脂肪エネルギー比率が高いことや、さらに「休養」に関連して、1日の睡眠時間の平均では、男女とも「6時間以上7時間未満」が最も多いことがわかった。

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況はどうか?。

 20年11月時点で、男性のメタボリックシンドロームが強く疑われる人は男性で25.3%、女性は10.6%で、また予備群と考えられる人は、男性21.9%、女性8.3%となっている。

 メタボリックシンドロームについては、平成20年度から、医療保険者による「特定健康診査・特定保健指導」が、全国で5,700万人ともいわれる医療保険の加入者を対象としてすでに実施されてきており、今年度中には、健診データや保健指導結果が集まる予定だ。今後はそれらのデータの分析によって詳細なメタボの状況が判明するものと思われ、それらの分析を基にメタボ対策についてもさらに進むのではないかと期待されている。



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